『ハーモニアス・ファミリーキッチン:家族団らんを育むデザイン』と仮題して、そのようなキッチンを造る過程で重要な事を書いていきます。
まず、ハーモニアスについて、ここでは、下記の内容の3の意味合いが強い内容となります。
ハーモニアス【harmonious】とは。
1 〈音などが〉耳に快い,旋律の美しい.
2 (…と)調和のとれた,つり合いのよい≪with≫.
3 〈人が〉和合した,仲のよい,平和な.
コンセプト: このキッチンデザインは、家族の絆をより深め、家族の団結力を高めることを目指しています。
家族が一緒に過ごす時間を大切にし、快適で機能的な環境を提供するキッチンを生み出すことで、家族団らんの時間をより豊かなものにしつつ、キッチンで過ごす時間を多く取れるような空間造りをします。
デザイン要素は大きく分けて4つの内容をメインに空間・キッチン構成としてます。
オープンな空間
キッチンをリビングエリアやダイニングエリアと一体化させることで、家族が日常の活動を共有しやすくなります。
壁を取り払い、開放的なデザインを採用することで、家族のコミュニケーションを促進します。
これは俗にいう「アイランドキッチン」ですが、ありきたりなモノの定義ではなく、その場で行われるであろう、コトを付け加えた「ニューノーマルなアイランドキッチン」となるキッチンデザイン・空間構成の工夫が必要です。
コトの考え方は、モノがある時点で意識しにくいですが、そのモノを使って、どういうコトがしたいのか。そのコトをモノと一緒に考える。この思考があるかないかで、買った後に後悔するか、満足すかの差が生まれます。
マルチファンクショナルな構成
キッチン=料理しかしない場所。という認識・考え方は既に古い時代になってます。
マルチファンクショナル(用途が広い、多機能な、用途が多肢にわたる、など)の構成を意識し、さまざまな活動がキッチンで同時に出来るような工夫をすることで、キッチン概念を良い意味壊すことが必要です。
例:調理スペース・食事準備スペース・食事を楽しむためのスペースを統合し、家族が協力して料理を楽しむことができる環境を構成する。
例:応接エリアを近接させ、快適なソファやコーヒーテーブルを配置し、家族及び友人・知人が食事の準備を見守りながらくつろげるスペースを作る事も重要です。
例:在宅ワークもキッチンで行う事で、普段の生活の一部に仕事を取り込むことが出来ます。
また仕事によっては、料理の手順や家電のレクチャー、収納術、お掃除術など、普段の日常を仕事に結びつけ、何か新しい価値のあるモノを生み出す可能性も出ます。
近年では、LDKという空間構成が多く、それに今後は応接室や家事・仕事・勉強スペースのデスクなど、様々な用途の空間がキッチン空間に寄添い・一体化する構成が増えてくると思います。
自然光の最大化
自然光の効果はやはり大きく、自然光が入らない空間、例えば美術館や商業施設などでは自然光が環境要因で邪魔になるので、取り込まないような工夫がされています。
しかし住宅、特にキッチンでは今までは『換気』という意味合いでの窓があるケースが多かったですが、これからは採光での窓。それも部分的な小さい明かりとり窓ではなく、大きな窓を設け、自然光を最大限に取り入れる事が、キッチン空間をより良いモノにすると確信してます。
自然の力と明るい照明設計で、家族が明るい活気のある空間で過ごすことが出来ます。
しかし、日本の特に都市部ではなかなか大きな開口を設ける事が外的要因で難しかったり、逆にデメリットが大きくなる(断熱性能・プライバシー確保・防犯性能など)ので、場所に応じた適切な開口の検討が必要です。
外に開くのではなく、中庭に対しての確保であったり、2階以上のデメリットが発生しにくい場所に適切に間取りをフィットさせていく必要があります。
色と素材の選択
人それぞれ、くつろげる色合いや素材は異なるので、自分や家族、周りの人たちがどのような色や素材が好みなのか、把握し、それをキッチンに取り入れる事で、家族がくつろげる空間を作り出すことが出来ます。
木の質感や自然石のトップカウンターなど、自然の要素を取り入れることで、心地よさと温かみを感じられるキッチンになります。
無地素材でシックでシンプルな構成とすることで、心穏やかで雑然としない落ち着きを感じられるキッチンになります。
鏡面扉にゴージャスなシャンデリア、モールディングなどデコラティブな装飾を加える事で、高級感・高揚感を感じられるキッチンになります。
家族団らんを重視するキッチンデザインは、誰かが決めるモノではなく、自身や家族が決めるモノです。
一緒に料理を楽しみ、食事を共有し、思い出に残る時間を過ごすことができる場を作るには、妥協せず、また自分だけの意見を通さず、周りの人の意見や考えも参考にして、主観・客観で考えることも大切です。
色と素材が快適で機能的な空間と家族のつながりを促進する要素となるので、それを知り、空間・キッチンデザインに取り込むことで、キッチン滞在時間が長くなり、家族の絆を深く保ち、家族団らんを育む場所に間違いなくなります。
また、経年変化を楽しむ素材であったり、後々の家族構成や好みの変化にも対応出来るような工夫もある程度検討が必要なので、そうした事にも出来れば配慮しましょう。
まとめ
【オープンな空間】
【マルチファンクショナルな配置】
【自然光の最大化】
【色と素材の選択】
『ハーモニアス・ファミリーキッチン:家族団らんを育むデザイン』と仮題して書きましたが、この5項目に関して、立地、面積、機能、家族構成、来客数、設置階、好みの色・素材などをしっかりと把握し、考えて取り入れていきましょう。
キッチン単体で考える事は出来るだけ避けたいですが、どうしてもキッチンだけで解決しないといけない場合は【色と素材の選択】が最重要になります。
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