【キッチンデザイン】加熱機と天板の関係性【フラット取付】【排気口カバー】

キッチンデザイン思案部

キッチンをデザインするにあたり、機器選定で何を重要視するかは、使う方次第。

今回は加熱機を天板にフラットで取り付ける方法やコンロ廻りの便利商品をご紹介します。

が、その前に、通常の加熱機はどのように天板に取付されているのか。という所から解説していきます。

■国産加熱機の場合

国産の場合、基本的には魚焼きグリルが付いており、天板の厚みに関しても基本的には一定のサイズでしか取付が出来ません。

こちらはリンナイのガスコンロ「デリシア」ですが、加熱機のトッププレートとグリルの間が約40mmほどの天板が存在してます。

なので、天板の意匠を変える場合も、国産加熱機の場合はこの箇所が変更対応出来ないので、薄天板の場合は調整材を入れたりしますし、厚天板の場合はこの箇所のみ40mmで天板を加工したりしないと取付が出来ません。

そのような事情もあり、天板にフラットで取付出来る構造ではないので、トッププレートの厚みは出てしまいます。

なので、天板デザインを重要視する場合の選択としては、国産加熱機より海外加熱機の方がより良いです。

※国産の場合、グリルがほぼすべての機種であるのと、放熱の為のスペースでコンロ奥に排気口があるので、それも含めるとよりデザインというよりは、使い勝手での選択となります。

加熱機周りのおすすめ商品

▼排気口カバー(スライド付・スライド無)

 

 

こちらの商品は、 デザイン性の良くない排気口カバーを隠す&汚れが付かないようにするための商品で、スライド有無の商品があります。

有名な商品は【山﨑実業】の商品ですが、他のメーカーからも同様の商品が沢山出てます。

カラー、サイズ、機能(伸縮・物が置ける)など、比較して検討してください。

実際に私も上記商品を使用しており、排気口カバーはほぼお手入れしなくてもよくなり、ストレス軽減出来てます!

▼油跳ね防止パネル

 

 

こちらの商品は、普段ご案内している際によく話に出す商品です。

アイランドキッチンなど、開放感のあるプランの場合、気になるのが汚れの拡散。

先ほどの排気口カバーで排気口周りの汚れだけは軽減出来ますが、他周りに対しての防止策としてはこちらの商品が簡易的で脱着自由なので、デザインを損なわず、料理の内容に応じて対応が出来ます。

コンロ前にガラスディバイダーを検討される方も多いですが、こちらの場合は天板の上に固定されているので、常に見えてしまうため、こちらのお手入れもしないといけないので、割と大変です。

▼ガラスディバイダー(カワジュン)【KC-148-S1C】

「どうしてもガラスディバイダーが良い」方は、こちらの商品をオススメしてます。

デザイン性、カラーも最近増えているので、キッチン意匠に合わせて選択できる点も良いです。

■海外加熱機の場合

さて、本記事を書こうと思ったきっかけは、こちら海外加熱機の一部商品で対応出来る取り付け方。

メーカーによって名称が異なりますが、ミーレの場合【FL(Flush)モデル「フラッシュ設置」】ガゲナウの場合【フラッシュマウント】という設置方法名の商品は対応可能です。

あと、機械側が対応可能でも、天板側の加工が出来るかどうか次第で、組合せによっては対応出来ない場合もあるので、機器選定と同様に、対応出来る天板選定も必要です。

ミーレ:フラッシュ設置

▼KM7564FL(¥380,000-)

  • 調理ゾーン: 4口 (PowerFlex調理領域 x2)
  • フレーム: なし
  • 設置方法: カウンター表面設置(ドロップイン)/フラッシュ設置
  • 外形寸法: W620 x D520 mm
  • 開口寸法: W600~603 x D500~503mm

▼KM7684FL(¥490,000-)

  • 調理ゾーン: 4口 (PowerFlex調理領域 x2)
  • フレーム: なし
  • 設置方法: カウンター表面設置(ドロップイン)/フラッシュ設置
  • 外形寸法: W916 x D408 mm
  • 開口寸法: W896~899 x D388~391 mm

ガゲナウ:フラッシュマウント

▼VI422113(¥530,000-)

  • 調理ゾーン: 2口
  • フレーム: あり
  • 設置方法: サーフェスマウント/フラッシュマウント
  • 本体寸法: W380 x D520 mm
  • サーフェスマウント開口寸法: W360 x D492 mm
  • フラッシュマウント開口寸法: 内側W360 x D492mm/外側W386 x D526 mm

▼他、The Vario cooktops 400 series

このシリーズは他の機器も設置方法は選択可能なので、組合せ内容と設置内容の選定が出来ます。

※加熱機フラット取付時の天板条件について

これが一番難しい内容で、ミーレの説明内容を抜粋して記載しますが、下記文言があり、条件を満たす天板材のみでの対応が可能となってます。

フラッシュ設置は、天然石(御影石、大理石)、硬質天板、およびタイル製のワークトップに
のみ可能です。
他の素材から作られたワークトップを使用する場合は、まずクッキングヒーターのフラッシュ
設置に適しているかどうかワークトップメーカーにご確認ください』

▼ミーレ「IHクッキングヒーター KM7564FL設置・施工手順書」のP8に記載があります。

https://life.miele.co.jp/pdf/caddata/KM7564FL-Ver.2.0-221222.pdf

なぜ材質が限定されてしまうのか。というと、天板開口をすると同時にトッププレートをフラットで納める為に、プレート厚分の段差加工が必要になっているからです。

こちら、ミーレの取扱説明書の抜粋イメージですが、開口部に段差があり、③と④のように、材質によって加工方法が異なり、この加工が出来るかどうかが重要になってます。

また、上記天板材の選定で迷われる方が多く、ミーレ側の書き方も天板メーカーに要確認。との記載なので、実際に他の材でどうなのか。という質問が多いので、回答します。

天然石(御影石、大理石)、硬質天板、およびタイル製のワークトップ以外の選定

・人工大理石/ステンレス/クオーツ/セラミック:対応可
・メラミン:対応不可

メラミン材以外は、加工先の条件次第でもありますが、基本的には対応可能な事が多いです。

メラミン材は段の加工をする際に、素地が露出したり、防水の観点から加工対応が不可です。
(今後、加工技術や材の厚みなどの進化で対応出来る可能性もありそうですが、現段階では厳しいかと)

■加熱機フラッシュ取付のメリット

・天板との段差がなく、非常に綺麗でスッキリします。
・一体感が増し、天板のカラーによっては加熱機が目立たない。
・段差に物が詰まったりしない。

■加熱機フラッシュ取付のデメリット

・天板と加熱機の間はコーキングとなるので、経年劣化してしまう。
・脱着が必要になる場合、コーリングを除去しないといけないので、手間が掛かる。
・対応出来る機種/天板材(キッチンメーカー)が限られる。

メリットとデメリットが紙一重なので、重要視される方を優先で考え、それぞれを理解した上で検討を進めて頂きたいです。

安易にデザインが良いから。という理由だけで選択すると、長く使う上でデメリットが目立ってしまう場合もあるので、理解した上で判断していただきたいと思ってます。

今後の加熱機デザインについて

海外で開催される見本市などでは、天板に完全に埋まった加熱機や、天板材の下に仕込む加熱機など、より加熱機を感じさせないデザインが多くあります。

しかし、日本の場合は消防法など、法律の観点でなかなか加熱機の自由度が少なく、海外製のカッコいいガスコンロが日本で広がらない理由のひとつが、SIセンサー等の安全機能があるかどうか。という内容です。

そのような火災リスクに関して、厳しい基準があるので、換気扇の設置条件や内装の制限など、加熱機に纏わる様々な内容で基準をクリアしないと採用出来ない状況です。

海外と違い、木造住宅が多い&密集住宅地も多く、出火した際の被害が広範囲に及ぶ可能性が日本は高い為、このような厳しい条件があります。

そんな中でも、各加熱機メーカーは色々とデザインであったり性能であったりをグレードアップされているので、制限がある中でも今後の発展に期待したい所です。

最近、国産の加熱機で注目なのは「日立」のIH、フラットトッププレート「プレミアム」シリーズ。

価格は¥410,000-~と、高いですが、排気口の奥までガラストップになっており、カバー以外のお手入れが楽&デザインも良い◎

デザイン・お手入れを重視しつつ、機能面も使いたい方には今、一番おすすめの機種です。

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