これからの時代、１つの室内にあるキッチン。ではなく、自然との調和を重視し、屋外での料理体験が出来たり、外気を感じられるような外部空間に溶け込むキッチンが、今後の住宅デザインのトレンドとなる可能性を秘めています。
アウトドアがコロナ禍で再注目され、自然のある屋外で過ごす時間の大切さ・楽しさなどがより身近になり、それをキッチンに取り入れるには、という観点も今後の住宅や非住宅でも、キッチンに関しても多くなってくることでしょう。
アウトドアリビングは徐々に増えつつありますが、アウトドアキッチンはまだまだ住宅においては一般的ではないです。
この記事では、外部空間を取り入れた（溶け込む）キッチンの魅力と具体的な内容（屋外での調理やエンターテイメントを楽しみたい方や自然と一体感を求める方）の魅力的なデザインを空間ごとキッチンに取り入れる事が出来る方法・可能性を５点紹介します。
オープンエアデザイン
外部空間に溶け込むキッチン＝オープンエアデザインという可能性です。
例えば、庭に設置されたキッチンは、囲まれた閉塞的な屋根や壁がなく、周囲の景観や自然光を最大限に取り入れる事が出来ます。
広大な庭園の中に設けられたキッチンで、パノラマビューと一体化した調理空間が広がり、一人で癒されながら料理をする事も、複数人でワイワイ楽しく過ごす事も出来ます。
日本の都市部ではなかなかこのような環境・立地を手に入れる事は難しいですが、地方だと自然豊かな土地が比較的安価に入手できるので、仕事の環境や家庭環境、利便性などの考慮も必要ですが、そのような地域での生活は、都市部では叶うことが出来ない日常となり、質は上がりそうな予感がします。
耐候性のある素材
外部空間に設置されるキッチンは、気候条件に耐える必要があります。
耐候性のある素材を使用し、風雨や紫外線などの要素に対して耐久性を持つことが必須条件で、アウトドア家具ではそのような機能があり、雨風を受けてもダメージを抑えられるよう、対候性が高い素材で作られています。
それらをキッチンに取り入れたり、特殊な塗装や外壁材などでキッチンを構成出来れば、屋外でも使えるキッチンが出来る可能性があります。
そのような素材の中で、鋼材が耐久性に優れるイメージがあり、それをメインでイメージすると、無骨な厨房のようなデザインになります。
もっと洗礼させていけば、このようなデザインで造る事も出来そうです。
自然照明と風通し
外部空間を取り入れたキッチンでは、自然照明と風通しが最も良い影響を受ける外部要因になります。
大きな窓やガラスパネルを使用し、キッチン内に自然光や風を取り入れれば、外部でなくとも、あたかも外部にいるような感じを受けることが出来ます。
気候に左右される事象と、人工的に解決できる事象のバランスを上手く取り入れ、日中の明るさと風の心地良さを享受できるようなデザインを心掛ける必要があります。
サッシも年々進化しており、躯体制限もありますが、大開口を設け、サッシも全開できるような仕組みにすれば、写真のような清々しいキッチンになるでしょう。
ランドスケープと一体化
外部空間に溶け込むキッチンは、周囲のランドスケープと一体化するデザインです。
植栽や自然素材を取り入れたデザインが行われ、キッチンが自然の一部として見えるように工夫されます。
山の間に設けられた建築・キッチンでは木材や石材を使った自然素材のカウンターやデッキを採用することで、自然環境との調和を演出することが出来ます。
海に面する建築・キッチンでは、広がる視線を前面に取込み、床の延長に地球を感じられる演出をすることが出来ます。
機能と快適性の確保
外部空間を取り入れたキッチンは、美しいデザインだけでなく、機能と快適性も重視されています。必要な機能としては、バーベキューや釡などを設け、パーティーや団らんする場所を配置し、どこにいるのも自由な空間・キッチン造りの考えた方が必要です。
結論
外部空間を取り入れたキッチンは、オープンエアデザイン、耐候性のある素材、自然照明と風通し、ランドスケープとの一体化、機能と快適性の確保といった様々な角度からのアプローチで実現出来、それぞれの内容で魅力を発揮できます。
このキッチンでの料理体験は人生を豊かにすると共に、来客者にとっても特別な空間となっているので、また来たい。そんなキッチンの魅力が実現出来れば叶うでしょう。
外部空間を取り入れたキッチンは、自然と一体感を求める人々や屋外でのエンターテイメントを楽しみたい方のために、理想的な選択肢となり、新たなキッチンの可能性を感じずにはいられない。そんなキッチンデザインだと思います。
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