キッチンを構成する金物を知ろう【収納金物】

これからのキッチン

【収納金物】

キッチンを構成する内容で『収納』は色々な方法があります。

「何を」「どのように」仕舞うか次第で、適切な収納方法は変わるので、今回は一般的な『引出・開扉』ではなく、拘りのある【収納金物】を使った収納方法を書いていきます。

(※掲載写真は各社HPより抜粋させて頂いております)

レマン

こちらの金物はL型やコの字型キッチンのコーナー部に組込むタイプの収納金物で、独特な形状ですが、トレーが出てくる最大面積を確保してくれる可動収納金物となってます。

今はキッチンレイアウトとしては『アイランド』や『ペニンシュラ』が人気ですが、『L型』や『コの字』も実は使い勝手や間取りによっては利点も多くあります。

そんな人が直面するのが「コーナー部分の収納が使いにくい」という事。

そのため、Lやコの字の採用を控える方も一定数いらっしゃいます。

メーカー動画では、イラストも交えた分かりやすい内容があります。

扉サイズは4種類【400/450/500/600】で右用、左用の対応が可能。

注意点としてはコンパクトなL型やコの字には適さず、収納割付も扉サイズを考慮しながら、他収納内容を決める必要があります。

垂直収納金物

開扉を開けた際、奥に引き込める仕様の金物。別名軸回し扉。

主に家電を収納したり、大型の扉になれば、キッチンを隠してしまったりも出来る金物です。

代表的な金物は【コンセプタ】【フォールディングコンセプタ】が挙げられます。
(他にも大小、様々な種類の垂直収納金物があるので、用途別・仕様別に選定する必要があります)

【スガツネ】【ハーフェレ】が取扱いされています。

【コンセプタ】

こちらの金物は良く使うので別途取りまとめてますので、下記記事にて詳細含め確認頂けます。

【フォールディングコンセプタ】

こちらは「フォールディング」=「折りたたむ」機能が追加されたコンセプタ金物で、折れ戸の軸回し扉です。

■扉幅:300~ 700mm(扉1枚当り)
■扉高さ:1250~ 2600mm
■扉厚:19~28mm
■扉質量:25kg以下(扉1枚当り)

扉1枚が300~700で折れ戸なので、2枚で1組、両開きにすると4枚まで対応可能なので、最大700mmx4枚の2800mmサイズの収納を扉で隠すことが出来ます。

扉を収納出来る金物のメリットとしては下記が上げられます。

■開けっ放しでも扉が邪魔になりにくい(開扉との比較)
■開けた時の開口が広く、内部が見通せる(引違扉との比較)

サイズ・重量、またどのように隠したいか次第で選定金物の種類を変える必要があります。

フロンティーノ

こちらの金物は引違扉仕様の金物ですが、建具用ではなく家具用の金物で扉閉めている時にフラットに納まる構造の金具になります。

下記は収納の平面イメージで、濃色は扉、淡色は収納本体です。

⇩扉が閉まっている時(フロンティーノ仕様時)

⇩扉が閉まっている時(普通の引違金物仕様時)

フロンティーノはこの状態が開ける際の初動になります。

⇩扉を開いた時はどちらも同じ使い勝手

このように通常の引違との差は『閉まっている時の美しさ』にあります。

段差が出来ない=木目の場合は連続性がより強調され、単色の場合は奥行きの違いでの色の見え方が異なる事を防止する役割もあり、また閉めた際の凹凸が無いことで、露出するレール部も無い為、お手入れもしやすいです。

エアヒンジ

これは今までにない、デザイン特化型の金物で、『ヒンジ』というのは、開扉で使われる金物で、日本では『丁番・蝶番』などと言われる金物です。

本来はこのような大きな金物で、しっかりと収納本体と扉を固定し、また軸の役割もあるので、スムーズに扉が開け閉めできるような機構も併せ持たないといけないので、小型化が難しく、また近年はソフトクローズ機能がキッチンでは一般的になってきているので、そうなると更に小型化が難しいのですが、この【エアヒンジ】は存在を極限まで消したヒンジとなっており、閉めるとヒンジ本体は見えない意匠で、尚且つガラス扉のフレームも極めて幅の狭いフレーム対応が出来るので、ガラス面が大きくなり、内部の収納物がより際立って見せる事が出来る仕様となってます。

写真左が本体全体イメージ、右がヒンジ部の拡大写真

対応可能な最大サイズは【幅600mm】【高さ2100mm】となってますので、それ以上のサイズを希望の場合は、上下何処かで分割する必要があります。

他、特殊な金物は金額が高い代わりに、デザインや使い勝手が優れるのですが、このエアヒンジも価格が高いので、ここぞ!という拘りの箇所には是非採用したい商品です。

飾り棚が欲しい方(グラス・お酒コレクション/作家作品コレクション/キッチン以外だと趣味のコレクション収納などにも)は照明計画も含め、検討してみてはいかがでしょうか。

コンボイシリーズ

こちらはトール収納用の金物で、開扉収納のデメリットである、奥の物の出し入れが簡易に出来るように、トレー自体が扉を開けると連動して前に出てくる機構の金物となってます。

【プレミオ】が開扉仕様で【セントロ】が引出仕様の機構です。
もう1種類【ラヴィド】(単体仕様)もありますが、受注生産品なので、どうしても必要な場合にのみ、検討する商品になります。

トレーはフリー可動式なので、好きな位置に移動・固定が可能なので、収納したい内容に合わせた対応が容易です。

そして、トレー底板は嬉しいノンスリップ仕上げ。
トレーが動く収納の場合は、ノンスリップ仕上げがあると中身が動きにくくなるので、あると便利な嬉しい仕様です。

【プレミオ】

■対応サイズは下記3タイプ
【幅600x奥行500以上(庫内有効)x高さ1500-1599/1900-1999/2100-2199】

【セントロ】

■対応サイズは下記3タイプ
【幅450mmx奥行500mm以上(庫内有効)x高さ1100-1200mm/1900-2000mm/2100-2200mm】

タンデムⅡ

この金物は先ほどのコンボイが大きな1枚のトレー収納だったのが、こちらは前後に分割されたトレー収納となっており、片側は扉側に付属され、もう片側は収納側に分かれる機構の収納です。

イメージとしては、冷蔵庫の内容によく似てます。

扉を開けると扉側にポケットがあり、効率よく中が見渡せるかと思いますが、それの収納バージョン。と思って頂ければ良いかと思います。

左:冷蔵庫イメージ 右:タンデム金物
 

■サイズ:トールタイプ/ベースタイプの2種
【幅450/500/600mmx奥行500mm以上(庫内有効)x高さ800/1700mm(庫内有効)】

 

■バージョン:クラシック(左)/スタイル(中)/ワイヤーバスケット(右)の3種
 

※どのサイズ・バージョンも全て受注生産品となってます。

【タンデムサイド】

似た内容の【タンデムサイド】という、扉側のトレーのみの使用もあり、こちらは、収納側の収納内部の棚を利用するので、収納の棚奥行を少し浅くして、見やすく、使い勝手は従来の棚なので扱い慣れしている。と良い所どりな機構です。

手前側はタンデムトレーで区分けするので、小物の管理などしやすい、見やすいオススメの仕様です。

こちらは使用感もオススメですが、納期も幅500mmのみ受注生産になりますが、それ以外(450/600mm)は納期の問題も無く、キッチンメーカー側にも嬉しい内容です。

メーカーが動画も出されているので、興味のある方は確認してみてください。

ディスペンサ

こちらは【コンボイ】に似たシリーズですが、対応幅のラインナップが豊富で、収納割をする際に重宝する金物となってます。

■対応サイズ【幅300/400/500/600mm】x【奥行500mm以上(庫内有効)】x【高さ1200-1600/1600-2000/1900-2300mm(内寸高)】

こちらは幅が更に細い【150mm】対応の【ディスペンサシングル】です。

幅は【150mm】1種、高さは【1200-1600/1600-2000/1900-2300mm】の3種

細かい調味料や細いボトル系の収納として活躍します。

サーボドライブ

前板を軽く押すか、ハンドルを持って軽く引くだけで引出が自動的に開く電源を用いた金物。

電源は必要ですが、ハンドルレスキッチンの製作、引く力が弱まったご年配の方など、意匠・使用の両面で効果のある金物となってます。

しかし、軽く押すと開く事がデメリットになる場合もあります。
それはコンロやシンクで作業中も、ふとした時に前板に接触すると開いてしまう事があるので、採用時は箇所や立ち位置も含め、検討が必要です。

特にコンロ前は火元なので、予期せぬ事故に繋がるケースもあるので、注意が必要。

引出サイズは275mm以上の幅で対応可能。

また引出ではなく、吊戸にも利用可能で、少し特殊な開閉にはなりますが、あっと驚く事間違いなしな開閉方法となります。

動画を見て頂いたら一目瞭然だったかと思います。
開ける時もそうですが、閉める際も手元のボタンを押すだけで閉まるので、扉が上に行ってしまうようなプランでも難なく対応可能です。

ムーバー

横長の扉【幅900/1200/1800mm】と受注対応で【2400mm】も対応出来るとの事。

高さは【600mm】で、扉の質量は【6~23kg以下(1枚当り)】

基本は吊戸に使用する内容かと思いますが、大きな面で開閉が出来るので、扉同士のラインが少なく済み、綺麗な見え方及び、扉を開ける際の煽り(手前側へ扉が来る)がないので、ストレスなく開閉出来ます。

ただ、上部に扉が移動するので、上の収納をどのようにするか次第で、デメリットにもなるので、使用箇所検討の際は扉の動向に注意しましょう。

チップオンブルモーション

この金物は『サーボドライブ』同様、ハンドルレス扉+プッシュ開閉が出来るメカ式の機構です。

電源不要なので、設備要件的には対応しやすい商品ですが、引出金物が「タンデムボックス」「レグラボックス」「モベント」の3種にのみ対応している機構なので、メーカーが採用している引出レールの確認が必要です。

電動式と比べると、少し力が必要ですが、意匠重視な方には良い金物です。

ハンドルレス+プッシュ開閉のご希望で、少しでも予算を抑えたい方にはこちらの金物がオススメです。

クッキングエージェント

こちらは引出の内部に調理に関わる器具たちを一式で収納出来る便利な金物。

カトラリーやボトル、トレーなども一緒に効率よく収納出来るので、省スペースで色々な種類の器具を収納したい方にオススメ。

■必要庫内サイズ【幅260mm以上/奥行489mm以上/高さ597mm以上】

また、プラスチックトレーは食洗機に対応しているそうなので、お手入れも楽です。

まとめ

収納に関しては『引出』『開扉』だけではなく、色んな種類の方法があり、様々なサイズや利用者の希望を満たす、そんな金物たちも金物メーカーの方々が日々、利用者目線で開発されています。

私が良く使うのは【コンセプタ】で別記事にもまとめているように、メリットが多く、見せる・隠す・使うのバランスが非常に取りやすい金物です。

また【クッキングエージェント】も省スペースで多目的利用が出来るので、提案してみて頂くと、欲しい!となる収納金物です。

あと【レマン】もコーナー部の収納としては画期的&独特な形状と動作で初めて見る方に衝撃を与えている収納金物となってます。

【コンボイ】【タンデムⅡ】も収納内容に合わせて量と見やすさを兼ね備えられるので、利便性が向上するのでオススメ。

最近納品した御宅では【タンデムサイド】を導入され、ポケットに小物を沢山入れて見やすく管理したい。と言われており、使うのを楽しみにされていました。

ここでは紹介しきれない金物もまだまだ沢山あるので、どんどん紹介していき、情報も都度ブラッシュアップしていきます。

 

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