キッチンを構成する金物を知ろう【ゴミ箱】

これからのキッチン

『ゴミ箱』

キッチンでのごみの処理は、料理・調理をする過程の上でも大切な存在。
ダイニングやリビングにゴミ箱を置かない方も、キッチン(パントリー含む)には置かれると思います。

あと『ごみ』に関しては、お住いの地域や戸建てかマンションか。によっても、ごみを出せる日や時間、また分別数なども異なるので、引っ越しされる方は特に、引っ越し先がどういうルールなのかを把握する必要があります。

その上で、分別数やどの程度ごみを貯めないといけないのか理解した上で、個数やL(リットル)数を検討し、置き場を決める流れになると思います。
※特にL数は地域によっては指定ゴミ袋があったり、良く捨てる物のサイズに応じての検討が必要。

そんな必需品なゴミ箱も様々な種類があるで、今回は設置場所に対して2つの方法とそれ以外もお伝えします。

ゴミ箱本体に関しては、別記事にまとめているので、そちらを参考に検討ください。

置き型

基本的にはキッチンやパントリースペースにゴミ箱を置く想定にみなさん、なると思います。

置き型の場合、多くが市販品となるので、今お使いのゴミ箱を継続して使われる場合もあれば、新規購入される場合もあり、それぞれに対して個数とサイズ、また見落としがちなフタの開閉方法、開閉時のサイズも重要なポイントです。

※市販品のゴミ箱はかなりの種類があり、ここでは省略しますが、また別途記事は書く予定です。

次に置く場所について、各箇所での内容をまとめます。

◆シンク下

最近多くなってきている設置場所、それは『シンク下』です。

キッチンで一番ごみが出る確率が高いのが、シンク周りです。
食材の下処理から、トレイや缶・ペットボトルなどを洗う作業なども基本シンクで行うことが多く、そこからゴミ箱へ向かうケースが当然多くなります。

なので、ゴミ箱の位置が近くなればなるほど、無駄な移動・行動がなくなり、また汚れたごみの場合、遠いゴミ箱に入れる際、床が汚れたりするリスクも軽減出来たりします。

ただ、シンク下は本来、水回りの収納があった方が利便性が良い事も多い(※シンク下収納は包丁、まな板、ザル/ボウル、米びつやタッパ、台所洗剤や掃除用品、その他かなりの量の収納力になる)ので、優先順位を決めて、どちらかは少し離れた位置になる事も考慮した上での判断が必要になります。

◆カップボード家電収納下

後は『カップボード家電収納下』なんかも、メーカーキッチンの標準仕様で多いパターンですね。

実際どうかはわかりませんが、推測すると、家電収納の使い勝手のいい位置(高さ)を決めると、その下のスペースが引出収納にするには少し大きくなり高いので、ちょうどゴミ箱を置くスペースが取りやすい。という感じで規格化されたのでしょうか。

家電も割とシンクに近い位置に配置されるケースが多いので、ここも動線的にはストレスを感じにくい場所になることが多いですね。

◆パントリーに置く

他には『パントリーに置く』という方法もあります。

キッチンスペースはコンパクトに設計し、ストックなどを多く置ける場所を確保されている方などは、キッチンにゴミ箱スペースを取ると、普段使いの食器や収納が置けなくなります。

しかし、パントリーに置けば、基本ダイニングやリビングからは見えない位置なので、市販品のゴミ箱の意匠関係なく、容量重視や気密性重視など、内容にこだわる事も可能です。

ただ位置関係によっては、距離が遠く、日常的に移動する作業が大変な場合もあるので、小さいゴミ箱を手元に、大きなゴミ箱をパントリーに。という使い分けも検討の余地ありです。

◆ゴミ箱スペースに扉をつける

見えなくしたい。を優先する方は『ゴミ箱スペースに扉をつける』という選択もあり!

使い勝手は扉をいちいち開けないといけないですが、見た目はスッキリするので、意匠性重視な方や来客が多い方、またペットを飼っている方なんかも、勝手に扉をペットが開けない限り、ごみを荒らされることはないのかなとも思います。
(おうちで飼われているペットはそんなにやんちゃじゃない子が多いと思いますが)

ビルトイン型

こちらは採用率自体はあまり多くないですが、引出や開扉の中にセッティングしてあるゴミ箱です。

なかなか普段見る機会はないと思いますが、メリットは何と言っても見た目でゴミ箱かどうかわからなくなる意匠性です。

下記イメージはハーフェレが取り扱っているHailo Euro-Cargoという商品の4 分別ダストボックスです。

開けない限りはキッチンの面材が見えているだけで、使う時に開ける以外は常にスッキリします。
また各収納に合わせて内容やサイズ、また引出用・開扉用など、様々あるので、キッチンプランに合わせた対応が割と柔軟に出来、無駄なくスペース活用が出来る事もあります。

また、こちらの商品は扉をゴミ箱に付けるパターン。
こちらもハーフェレが扱っている商品「ダストボックスワゴン, キャスター付」になります。

意匠的メリットが高いですが、デメリットとしてはL数の大きい物が少なかったり、選択できる商品に限りがあったり、引出ビルトインの場合は生ごみなどを入れる方はニオイが籠ってしまったりする可能性もあるので、選定検討時はどのようなごみを捨てるのか、導線計画含め、キッチンメーカーの方と一緒に慎重に検討を進めましょう。

それ以外

ゴミ箱を置く、という概念ではない内容をご紹介します。

◆ディスポーザー

一部マンションや戸建てにも採用が少し増えているごみ処理方法の1つに『ディスポーザー』があります。
(『ディスポーザー』とは、生ごみ処理機がシンク排水に付いている機械のことです。)

『ディスポーザー』は大きく分けて2種あり、【シンク下で生ごみを粉砕し、下水にそのまま流すタイプ】【乾燥させ、ニオイや量を抑えた後、ごみとして出すか、肥料等に活用するタイプ】があります。

生ごみが出ない生活を経験されると、「もう『ディスポーザー』無の生活は考えられない。」と言われるほど利便性が良いと感じる方が多いです。(私は使ったことがないので、なんとも言えませんが・・・)

ただ設置条件が日本の場合、かなり厳しく、基本的には浄化槽という外に埋設する処理槽(大きなタンクのような物)が必要になり、これが工事費含め高額になります。
※マンションでディスポーザーがあるのは、このような浄化槽に対応しており、1戸当たりの負担が分散出来、また申請も一式で役所に提出するので、対応しやすい事があげられます。

また地域によっては設置NGな事もあるので、検討される場合は建築会社やリフォーム会社に相談していただき、また検討されているキッチンメーカーにも確認が必須です。

キッチンメーカー側の対応としては、シンク下に機械が付くので、収納にも影響しますし、排水の大きさや経路、また電源の設置など、ディスポーザーの種類にもよりますが、様々な条件をクリアしないといけないでので、検討されている方はキッチンメーカーにその旨を伝え、どのように進める事になるのか、どのような内容になるのか、確認しましょう。

◆ダストシューター

あとは『ダストシューター』という方法もあります。

こちらもなかなか設置は難易度が高いですが、ゴミ袋をシューターに入れると、外部のゴミ置き場に直結して、そこからゴミ回収場所に持っていく。という事が出来るので、建物内に特に大きなスペースが不要となります。

新築戸建ての計画で、2階にキッチンなどの場合、わざわざゴミ袋を持って下に降りる手間が省けますが、入念な建築設計時の計画が必要なので、その労力や、2階から1階に通じるシュータースペースも必要になるので、良いか悪いかはなかなか判断が難しい対応方法です。

シューターではないですが、大きなゴミ箱を屋内に入れたくない方は、キッチン勝手口的の利用で、シューター替わりの役割になるかと思います。

勝手口外に大きなゴミ箱を置き、1日の終わりにキッチンにあるゴミ袋を外に出して、回収日までそこで保管。
回収日が来れば、勝手口より回収場所までゴミを移動させる。という使い方です。

ゴミ箱選定の接客例(既製品キッチンの場合)

キッチン営業(以降E)「ゴミ箱について、ご希望と今の使い方はどのようにされていますか?」

お客様(以降C)「今は30Lのゴミ箱2つ使っているのですが、新居では出来れば45Lのゴミ箱を2つ使いたいと思ってます」

E「市販品で45Lだと横幅35cm前後あるので、少なくても70cm程度の横幅がないと厳しいですね」

C「うちの間取り・プランだと、どうなりますか?」

E「キッチンスペースで確保。となると、シンク下を完全にOPENにする方法と、カップボードの一部をOPENにする方法があります。
しかし、既製品のカップボードでは総幅のサイズを大きくしないとゴミ箱スペースの大きなタイプの選択が出来ないので、今のサイズではシンク下一択になります」

C「シンク下は日常的に良く使う収納物がたくさんあるので、出来ればカップボード側に置きたいのですが・・・」

E「方法としては2つ。勝手口があるので、外に大きなゴミ箱を置き、キッチンスペースには小さいゴミ箱を2分別置き、溜ったら外へゴミを移す方法。
もう一つは、キッチンスペースではなく、隣接しているパントリーに置く方法もあります」

C「どちらも理想ではないですが、サイズは大きくも出来る余地はあるので、一旦標準サイズのカップボードのゴミ箱スペースで進め、サイズを大きくした場合はカップボード完結。出来ない場合はまたどうしたいか自宅で再検討します」

E「はい、間取り的にもゆとりがあるので、ご希望通りも対応は可能ですので、ご予算と他冷蔵庫スペースなどの兼ね合い、他置かれる物も考慮してご検討頂ければと思います」

という流れで、現状の確認とどうしたいのか希望確認。それを現在の図面やキッチンに当てはめた時にどう理想に近づけられるか。お客様と一緒にその場に立ったイメージで動作も含め確認するとより一層感じて頂けると思います。

既製品の場合、希望と異なる場合もあり、それが完全なNGなのか、少しの改善や他要素を組合せて理想に近づけられるのかなど、キッチンだけを見て話しするのではなく、他のスペースや生活の流れ含め確認する事が必要です。

お客様は自分の一番の理想(譲れない内容と多少譲れる内容があれば明確にしておく)

営業マンは理想をくみ取り、今までの経験も踏まえ、違う目線での提案も瞬時に考え提案する。
※既製品営業の場合、ルールに準じた対応の最大パフォーマンスを出せる商品知識。
※オーダー営業の場合、理想+αの提案が出来るような知識。(意匠性や使い勝手の向上)

まとめ

ゴミ箱の検討はキッチン検討と同時にしておかないと、場所や収納内容にも影響してくるので、出来るだけ早めに検討するようにしましょう。

市販品のゴミ箱はかなりの数があり、ライフスタイルに合わせた選択がしやすいですが、逆に悩む原因にもなります。

フタの有無(有る場合は開け方)
②素材(洗いやすいか・見栄えが良いか)
③サイズ(分別数及びゴミ袋大きさ)
④キャスター有無(移動して使うか)

など必要な内容を総合的に確認して決めましょう。

最近はネットで購入される方が多いと思うので、実際のサイズも記載されていますが、チェックポイントとしては【袋の掛けやすさ】【掃除のしやすさ】【キャスター有無】の記載もあれば、チェックしてみてください。

【袋の掛けやすさ】
家族が多いとその分、沢山ゴミが出るので、ゴミ袋の掛けやすさ・取り出しやすさ。は日々のストレス軽減に繋がります。

【掃除のしやすさ】
ゴミ袋があるとはいえ、外側はもちろん、内側も上手く袋に入らなかったごみや、ごみの汚れがなぜか内側に付着していたり、袋が破れてしまって、中が汚れた。となった場合も、お手入れがし易ければ、サッと汚れを落とすだけでいいのですが、複雑な構造や汚れがしみ込んでしまいそうな素材だと、定期的に買い替える事も視野に入れないといけなくなります。
(ゴミ箱もだんだん値上がりしていっているので、汚いから替える。が気軽にできない物もあります。)

【キャスター有無】
移動して使う前提の場合、キャスター有無で転がして移動なのか、持ち上げて移動なのかは日常生活に大きく影響してきますので、どこに置いて、どこで使うかに応じて確認必須項目です。

移動して使う場合、キッチンはもちろん、ダイニングテーブルで作業する際に利用される方もいらっしゃるので、キッチンだけの思考ではなく、LDKや他、日常行動する上でのゴミの存在についても確認しながら決めてください。

 

その他、最近は生ごみのにおいを抑える『家電:冷却ゴミ箱』もあったり、日々進化してますので、また別途商品の内容や仕様含め、深く掘り下げようと思ってます。

気になる内容がある方は気軽にコメント頂けると嬉しいです。

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