この世の中、様々な商品が数多くの会社から販売されており、同じジャンルや商品でも、複数の会社が取り扱っている事が大半。
キッチンも同様で
●国内メーカー/海外メーカー。
●量産/オーダー。
●大・中・小企業、個人。
と様々な媒体での取り扱いがあり、採用する側も比較検討し、納得のいく希望のキッチンを販売しているか、造ってくれるかどうか。という所が非常に重要かと思います。
その中でも、現在進行形の商品やメーカーの現在の立ち位置、単純な価格比較で決めたり、デザイン・使い勝手で決めたり、依頼先の建設会社によっても選択できるかどうか。という兼ね合いもあるが、それぞれのキッチンメーカーが過去~今日まで切磋琢磨し、生き残ってきている理由も知ったうえで検討が出来れば、より一層キッチンに愛着が沸き、また友人・知人にも自慢出来、見せたいキッチンが出来ると思ってます。
今回は私が良く知見する国内の4メーカーについて書いていこうと思います。
クリナップ
国内の量産メーカーの中では、キッチンに対して熟考されているメーカーだと思うのが、「クリナップ」です。
玄人感のあるキッチン~量産・普及型もあり、また高級海外メーカーのキッチンも取り扱いされており、充実した内容から選択できるメーカーです。
歴史
1949年創業時は、食卓テーブルの製造販売から始まり、1960年にステンレス流し台を製造販売され、1961年に商標『クリナップ』が誕生。
1973年に「システムキッチン」を発表。
1975年には側板、背板、底板までがステンレスのステンキャビ流し台「さくらDX」を発売。
商号を『クリナップ株式会社』に変更されたのが、1983年。
同年に簡易施工型システムキッチン「クリンレディ」を発売。
その後、2007年にはフィルター自動洗浄機能を備えて発売された「洗エールレンジフード」を発売され、フードのお手入れに関して、一歩先を行く展開を進められました。
2014年に国際家具見本市「ミラノサローネ2014(伊)」初出展され、2015年にはシンクを流れる水を科学して誕生した新機能「流レールシンク」を発売。
フード「洗エール」に、シンク「流レール」・・・、ネーミングが統一されていて、今後の商品開発の名称も楽しみです◎
そして2017年にはなんと、Valcucine社(伊)と取引契約締結され、国内ショールーム「Valcucine Tokyo(東京都・港区)」オープンされ、国内・国外どちらのブランドも扱うメーカーとなった。
商品群
住宅向けのキッチン商品は下記4ラインナップ。
※参考価格はI型255cm 開き扉プラン仕様時
■最高級:Valcucine(ヴァルクッチーネ)※¥3,000,000~(税別)
【ウェルビーイング、タイムレス、イノベーション】
■高級:CENTRO(セントロ)※¥1,273,800~(税別)
【憧れを、よろこびに変える。クラフツマンシップが紡ぎ出す品質と洗練されたデザイン】
■中~高級:STEDIA(ステディア)※¥759,000~(税別)
【暮らしの中で輝き続けるステンレスキャビネットキッチン】
■低~中級:rakuera(ラクエラ)※¥593,500~(税別)
【あなたのインテリアに寄り添うキッチン】
量産メーカーのいい所は、価格をしっかり表記されているので、比較検討がその場でしやすい所ですね。
個人的にも前職の現場管理をしていた時代に、福島県いわき市にある工場見学に招待頂き、モノ造りの拘りなど実際に体験させて頂きましたので、思い入れのあるメーカーです。
キッチンハウス
国産キッチンメーカーの老舗&高級キッチンとして知られる「キッチンハウス」
最近は意匠性に拘ったパッケージ型キッチンに力を入れて展開されており、予算に応じて広い範囲で検討出来るようになったかなと思います。
歴史
1976年、「台所を考える店」としてキッチンハウス株式会社を設立。
その前身はボイラー会社で、1962年に設立され、1975年までドイツ製システムキッチンや、プロ仕様のキッチン用品を輸入販売していた経緯もあり、欧州仕様のデザインを日本のキッチンで再現出来ている一因かと思います。
1979年より、オリジナルシステムキッチンの国内生産を開始。
日本風土に適したキッチン開発を行った。
1986年には、キッチンハウスの代名詞「高圧メラミン」ワークトップの自社開発・生産を開始。
また同時期には、知る人ぞ知る、木製浴槽の製造販売を展開。
2005年「キッチンハウス株式会社」ではなく、「株式会社TJMデザイン」と合併され、新たにキッチンハウススタイルの可能性を広げる年となる。
(TJMデザインは総合建築工具メーカーで、創業は1909年)
2008年、これまで培われた高圧メラミンワークトップ加工技術を生かした新スタイル商品”エバルト”を発売。
2015年、ミラノサローネにて世界で活躍している建築家・隈研吾氏デザインの「IRORI」を出展される。
商品群
住宅向けのキッチン商品は下記3ラインナップ。
※参考価格はアイランド型250cm +カップボード180cm
■最高級:Full Order(フルオーダー)※¥3,500,000~(税別)
【あなたのための理想のキッチンをつくることが私たちの使命です】
■高級:Semi Order(セミオーダー)※¥2,220,000~(税別)
【インテリアとしての美しいデザインと機能性の高さを兼ね備えたキッチンシリーズ】
■中級:GRAFTEKT(グラフテクト)※¥1,750,000~(税別)
【キッチンハウスの品質はそのままに仕様を厳選しお客様と建築会社様でプランを決めていただくセルフ⽅式により選びやすく、⼿の届きやすい価格を実現】
量産に近い内容でデザインを工夫したお求めやすい価格帯から高額なキッチンまで、予算感・希望に合わせた選定が出来ますね。
クチーナ
こちらは家具の提案から、キッチン・洗面まで幅広くオーダー対応されているメーカーの「クチーナ」
オーダー対応が出来るメーカーなので、キッチンハウスと比較検討される方も多くいらっしゃいます。
歴史
1976年、日本初となる国産部材型システムキッチン『CUCINA』を発表。
(元は「森本家具装飾店」という社名の家具屋で創業は1937年)
2009年に、セカンドラインである「CUCINA criterio」発表。
2018年、システム収納「Cloud Storage(クラウドストレージ)」を発売。
2020年、ファニチャーシリーズ「Island Storage(アイランドストレージ)」を発売。
トイレ手洗いカウンター「Lavatory Counter Collection(ラバトリーカウンターコレクション)」を発売。
2021年、イタリア家具ブランドcattelan italia(カッテランイタリア)の総代理店契約(国内独占販売権)を締結。
商品群
現在は特に明確なラインナップはなく、キッチンの場合は面材の仕様でカテゴリ分けをされている感じです。
■WOOD(ウッド)
■FRAME(フレーム)
■SOLID COLOR(ソリッドカラー)
■PATTERN(パターン)
少しでも価格目安が分かれば参考比較しやすいのに。。。と思いましたが、簡単に価格提示が出来ない、オーダーキッチンの難しい所かと感じました。
トーヨーキッチン
独特な世界観、ライフスタイル提案を行う国産キッチンメーカーの「トーヨーキッチン」
雑誌などでも、どこのキッチンか一目でわかるようなテイストが多く、好き嫌いが割とハッキリ分かれることが多いメーカー。
歴史
1934年「東洋食器製作所」として創業。
1984年、システムキッチンの製造を開始。
1997年、立体活用の画期的マルチシンク「3Dシンク」、「エアフロー」誕生。
本格的調理とインテリア性を追求したキッチン「COOKING CORE iNO|クッキングコア イノ」発売。
2001年、日本で初めてアイランドキッチンを発売。
アイランドキッチン「BAY’s BAY|ベイズベイ」で、新しいライフスタイルを提案。
2004年、世界で初めて、キッチンにシャンデリアをコーディネート提案。
現在も続くベストセラー照明「クランカー」発売を機に、キッチンとインテリアの同時提案を本格化。
2016年、世界のデザインを牽引するイタリアのインテリアブランド「Kartell|カルテル」の日本総代理店就任。
同年、シンクの中で調理が完結。
ゼロ動線キッチンを実現するシンク「パラレロ」誕生。
2017年、吉岡徳仁デザイン「FINESSE|フィネス」世界のデザイン賞で二冠達成。
日本企業として初めてデザイン界のアカデミー賞「エル・デコ インターナショナル デザイン アワード」キッチン部門受賞。
同年、日本で初めてキッチンでの「ジャーマンデザインアワードWinner」受賞。
商品群
■Sy(サイ)
【キッチン至上主義】
■iNO(イノ)
【新しいライフスタイルを創造するハイエンドモデル】
■BAY(ベイ)
【技術とノウハウを搭載したスタンダードキッチン】
■BAY CUBE(ベイ キューブ)
【囲んで楽しい、選べる!新しいキューブ型キッチン】
■BAY EXCLUSIVE(ベイ エクスクルーシブ)
【オンライン限定インテリアキッチン】
※参考価格は明記がなく、機器含む価格でオンライン系のキッチンで約¥1,000,000-~
Syに至っては天然石を贅沢に使う仕様の為、恐らく時価的な感覚なのだと思いますが、キッチン単体で驚愕の¥34,000,000-程度との事で、まさしく【キッチン至上主義】なキッチンだと思いました。
その価格、その価値、存在感含め、ぜひ見てみたいキッチンです。
まとめ
如何でしたでしょうか。
歴史・生い立ちや展開についても、同じキッチンを扱いつつ、どのような派生をしているのか、考え方やデザインまで含め、過去を知ることで現在が分かり、今後の発展に期待が出来るものだと感じております。
キッチン製造開始年で見ると
『クリナップ:1973年』
『キッチンハウス&クチーナ:1976年』
『トーヨーキッチン:1984年』
と、近しい時期に商品としてキッチン製造・販売されていますが、扱う商品は近いようで遠い内容も多々あります。
また製造する前の状況や他事業など、多肢に分かれていたりもするので、そこまで見だすと収拾がつかないので、今回はキッチン4社に絞って、表面的な内容のまとめでした。
価格に見合うキッチンを探す場合、単純な「商品」だけに目を向けるのではなく、その「商品」が出来た理由や背景、また今後の期待値も感じながら、様々なメーカーを知って、比較検討するのが一番だと思います!
色んな情報源があり、キッチン迷子になる方が続出してしまうこのご時世。
キャッチ―な内容・情報だけに偏ることなく、しっかりと商品・会社を見極めつつ、あまり広く浅くなりすぎず、しっかり押さえるべきポイントは絞っての検討で是非お願いします!
お困り事があれば、気軽にコメント頂ければ、出来る限りの回答を致します。
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